(読み)ユハタ

デジタル大辞泉 「纈」の意味・読み・例文・類語

ゆはた【×纈/×繒】

《「ゆいはた」の音変化》絞り染め。くくり染め。また、絞り染めにした布や革。
「君が為―の絹を取りしでて神にぞ祭る万代までに」〈堀河百首

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精選版 日本国語大辞典 「纈」の意味・読み・例文・類語

ゆはた【纈】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ゆいはた(結機)」の変化したもの ) しぼり染め。また、しぼり染めにした布や革。くくりぞめ。目結(めゆい)。ゆうはた。
    1. [初出の実例]「錦十四匹・纈(ユハタ)十九匹〈略〉刀子六十二枚を以て、椽磨等に賜ふ」(出典日本書紀(720)天智六年閏一一月(北野本訓))

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普及版 字通 「纈」の読み・字形・画数・意味


21画

[字音] ケツ
[字訓] しぼりぞめ・あやぎぬ

[字形] 形声
声符は頡(けつ)。〔玉〕に「綵纈(さいけつ)なり」とあり、しぼり染めをいう。を用いるものは纈(ろうけつ)。しぼり染めの法は、六朝のころから行われたらしく、晋のころ纈子髻(けつしけい)という髻(まげ)の結び方が流行した。

[訓義]
1. しぼり、しぼりぞめ、ゆはた。
2. あやぎぬ。
3. 眼がかすむ、眼花。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕纈 由波太(ゆはた) 〔字鏡集〕纈 ツヅル・ユハタ・イロドル

[熟語]
纈暈・纈花纈眼纈纈纈草纈帛纈文纈紋
[下接語]
眼纈・夾纈・紅纈・纐纈・砕纈・細纈・紫纈・纈・酔纈・羅纈

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【纐纈】より

…絞染の古名。今日一般に,奈良時代の模様染を代表するものとして〈纈(きようけち)〉〈﨟纈(ろうけち)〉に加え纐纈の名を挙げるが,当時においては纐纈という名称はなく,単に〈纈〉と書き〈ゆはた〉と訓じているものがこれに当たると考えられる。例えば《一切経音義》に〈糸をもって繒(かとり)(上質の平絹)を縛り之を染め,糸を解いて文様を成すものを纈という〉とあるのは明らかに絞染を示している。…

※「纈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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