義を見てせざるは勇無きなり(読み)ギヲミテセザルハユウナキナリ

デジタル大辞泉 の解説

てせざるはゆうきなり

《「論語」為政から》人としてなすべきことと知りながら、それを実行しないのは勇気がないからである。

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精選版 日本国語大辞典 の解説

ぎ【義】 を 見(み)てせざるは勇(ゆう・いさみ)(な)きなり

  1. 正義は人の行なうべきものであるが、これを知りながら実行しないのは勇気がないからである。
    1. [初出の実例]「見義不為無(ぎヲみテセざルハイサミなシ)。いざや臨幸路次に参り会、君を奪取奉て大軍を起し」(出典太平記(14C後)四)
    2. [その他の文献]〔論語‐為政〕

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故事成語を知る辞典 の解説

義を見てせざるは勇なきなり

正義の行いだと知りながら実行しないのは、勇気がないからだ、ということ。正しいことをするよう、促すときに使われることば。

[使用例] 自分は銃とはいのうを下ろしてザンブとばかりとびこんだね。義をみてせざるは勇なきなり、なんて言葉が頭の中にちらついて、自分自身に申しわけが立ったような気がした[田河水泡*のらくろ自叙伝|1976]

[由来] 「論語―為政」に載せる、孔子のことばから。自分の祖先でない霊をおまつりするのは、その霊の子孫に対するへつらいの気持ちから出た、正義にもとる行いだ、と述べたあと、逆に「義を見てさざるは、勇無きなり(正義を目の前にしてそれを実行しないのは、勇気がないからだ)」と憤慨しています。

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ことわざを知る辞典 の解説

義を見てせざるは勇無きなり

人として当然行うべき正義と知りながら実行しないのは、勇気がないからである。

[使用例] そりぁね、男の世界はまた違ったものさ。義を見てせざるは勇なきなり。常日頃倹約も、あのような慈善に備えて[太宰治*新釈諸国噺|1945]

[解説] 「論語―為政」にあることば。

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