朝日日本歴史人物事典 「義雲」の解説
義雲
生年:建長5.12(1253)
鎌倉後期の曹洞宗の禅僧。越前(福井県)永平寺の5世。京都の人。出家して天台や華厳の教学を学んだが,24歳で禅宗に転じて越前大野の宝慶寺寂円 に参じた。曹洞宗旨を究めて永仁3(1295)年に法を嗣ぎ,正安1(1299)年には寂円の死去で宝慶寺の住職となり,伊自良氏の帰依で叢林の充実に努めた。正和3(1314)年に波多野通貞に招かれ義演の後席を継いで永平寺第5世に就任,荒廃していた伽藍や規矩を復興して中興と称せられた。『正法眼蔵』(60巻本)に頌を付して『正法眼蔵品目頌』を著し,また『義雲和尚語録』も存する。<参考文献>永平寺傘松会編『義雲禅師研究』
(佐藤秀孝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報