羽田猟師町(読み)はねだりようしまち

日本歴史地名大系 「羽田猟師町」の解説

羽田猟師町
はねだりようしまち

[現在地名]大田区羽田はねだ二―六丁目・羽田旭町はねだあさひちよう羽田空港はねだくうこう二丁目

羽田村の南東部、六郷ろくごう(多摩川)河口左岸に成立した猟師町。当地で海老取えびとり川が六郷川から分派し、北流して海に注ぐ。その河口に飛地がある。もと羽田村に属していた浦分(羽田浦)が分立して枝郷羽田猟師町を形成、正保(一六四四―四八)から元禄(一六八八―一七〇四)初期に羽田村から独立したとみられる。羽田村との境界は入組んでいた(風土記稿)。元禄郷帳に「羽田猟師町」とみえ、高六四石余。旧高旧領取調帳では幕府領六四石余・湯島根生こんじよう院領一石余。「風土記稿」によれば家数三〇〇余。幕府から「御免」の極印(無年貢船を示す鑑札)を与えられた平船一五艘・茶船三八艘があり、大坂の陣に軍船を多く出した功により極印を与えられたという。なか町・西にし町・ひがし町があった。徳川将軍家に鮮魚などを献上する御菜肴八ヵ浦の一。

河口に位置する地の利から、多摩川流域諸村の津出し米の江戸廻漕を一手に請負う特権をもつ船持(船方)が住み、ここから海老取川で海に出て、沿岸伝いに江戸に送った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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