肩脱ぐ(読み)カタヌグ

デジタル大辞泉 「肩脱ぐ」の意味・読み・例文・類語

かた‐ぬ・ぐ【肩脱ぐ】

[動ガ四]
上着を半ば脱いで下着の肩を現す。
上達部かんだちめは―・ぎており給ふ」〈・若菜下〉
上半身衣服を脱いで肌をあらわにする。肌脱ぎになる。
「年老いたる法師召し出されて、黒くきたなき身を―・ぎて」〈徒然・一七五〉

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関連語 凡骨 実例

精選版 日本国語大辞典 「肩脱ぐ」の意味・読み・例文・類語

かた‐ぬ・ぐ【肩脱】

  1. 〘 自動詞 ガ五(四) 〙 ( 古くは「かたぬく」 )
  2. 上着を半ば脱いで、下着の肩を現わす。特に宴会などでくつろいだ時にする。
    1. 肩脱ぐ<b>①</b>〈承安五節渕酔図〉
      肩脱ぐ〈承安五節渕酔図〉
    2. [初出の実例]「求子(もとめご)はつる末に、わかやかなる上達部は、かたぬぎており給ふ」(出典源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
  3. 着ている衣服の上半を脱いで膚をあらわにする。はだぬぐ。
    1. [初出の実例]「鬼即ち出で来たり、袒(カタヌキ)て之を示して云はく」(出典:石山寺本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
  4. ( 「左袒」の訓読から ) 賛成する。味方する。
    1. [初出の実例]「右尤巧にして、凡骨更に及がたし。左を顧に不及。右に肩ぬぎ侍べし」(出典:七十一番職人歌合(1500頃か)四〇番)

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