精選版 日本国語大辞典 「腎虫」の意味・読み・例文・類語
じん‐ちゅう【腎虫】
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線形動物門双器綱腎虫目腎虫科に属する寄生虫。イタチ、イヌなどの哺乳(ほにゅう)類の腎臓あるいは腹腔(ふくこう)に寄生し、大形で、雄の体長14~45センチメートル、雌20~100センチメートル、生時は赤色である。まれにヒトにも寄生する。日本にも分布するが、とくにロシアや北アメリカに多い。
宿主の尿とともに排出された卵は、中間宿主のオヨギミミズ類など(淡水産貧毛類)に食べられ、その体内で感染力を備えた幼虫に発育する。固有宿主はこのようなオヨギミミズ類を摂取したカエルやナマズ(移動宿主)を食して感染することが多い。イタチやイヌに成虫が寄生しても、ほとんど症状を示さないこともあるが、寄生部位が破壊されて出血性あるいは化膿(かのう)性腎炎をおこすこともある。なお、ブタやイノシシの腎臓に寄生するブタ腎虫Stephanurus dentatusは、円虫目に属する別の線虫である。
[町田昌昭]
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