腰斬(読み)ヨウザン

デジタル大辞泉 「腰斬」の意味・読み・例文・類語

よう‐ざん〔エウ‐〕【腰斬/要斬】

中国時代の刑罰の一。罪人の腰から下を斬りはなすもの。
物事途中でとぎれること。
「士官次室の話は暫し―となりぬ」〈蘆花不如帰

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精選版 日本国語大辞典 「腰斬」の意味・読み・例文・類語

よう‐ざんエウ‥【腰斬・要斬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国秦の時代の刑罰の一種。斬り台の上で罪人を裸にし腰から下を切り離すもの。
    1. [初出の実例]「彼の福原越後等と共に腰斬せられたる福岡惣助といへる人より習ひ得たるものとなり」(出典:日本の下層社会(1899)〈横山源之助〉一)
    2. [その他の文献]〔史記‐商君伝〕
  3. 転じて、物事が途中でとぎれること。中断すること。
    1. [初出の実例]「士官次室の話は暫(しば)し腰斬(エウザン)となりぬ」(出典:不如帰(1898‐99)〈徳富蘆花〉下)

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普及版 字通 「腰斬」の読み・字形・画数・意味

【腰斬】よう(えう)ざん

胴切り。〔史記、商君伝〕民をして什伍を爲し、相ひ牧司坐せしむ。姦をげざる斬し、姦をぐる首を斬ると賞を同じうし、姦を(かく)すると罰を同じうす。

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世界大百科事典(旧版)内の腰斬の言及

【刑罰】より

…五刑とは黥(げい)(また墨(ぼく),顔面への入墨),劓(ぎ)(はなきり),刖(げつ)(また剕(ひ),あしきり),宮(きゆう)(男子は去勢,女子は幽閉),大辟(たいへき)(死刑)であり,生命刑と肉刑と称された身体刑(終身の強制労働をともなう)より成る。死刑の種類は,炮烙(ほうらく),焚(ふん)などの火刑をはじめ,烹(ほう)(かまゆで),車裂(また轘(かん)),支解(しかい)(四肢を断つ),腰斬(ようざん),磔(たく)(はりつけ),梟首(きようしゆ)(さらし首)など過酷なものも多い。棄市(きし)とは市場での公開処刑であり,また夷三族など親族まで死刑に処することもあった。…

※「腰斬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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