臍繰金(読み)へそくりがね

精選版 日本国語大辞典 「臍繰金」の意味・読み・例文・類語

へそくり‐がね【臍繰金】

〘名〙 (綜麻(へそ)を繰ってためた金銭の意) 他の人に知られないように、少しずつ蓄えた金銭。へそくり。へそくりぜに。へそがね。へそ。ほぞくりがね。
浮世草子・好色万金丹(1694)一「親に孝ある陽報にて、猩々のへそくり銀を大分しこため」
[語誌](1)「俚言集覧」に「経麻繰(ヘソクリ)金 経麻を繰てためたる金也」とあるように、ヘソはもとは「綜麻」(織機にかけられるようによりあわせた麻糸)。やがて「臍」と見なされ、「和訓栞」では「臍に納めてくり出す金子といふにや」と解し、後に「臍繰金」の字が当てられた。また、「へそくり」は、「へそくるみ(臍包)」の約とする説も生じた。
(2)ヘソの同義語ホゾから、近世には「ホゾクリガネ」が生じた。

ほぞくり‐がね【臍繰金】

〘名〙 (「ほそくりがね」とも。本来は「綜麻繰(へそくり)」の意の「へそ」を「臍」と解したところから) ひそかにためた金。へそくりがね。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)一「二十余年に胞(ホソ)くり金、拾弐貫五百目になしぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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