臨海鉄道(読み)りんかいてつどう

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改訂新版 世界大百科事典 「臨海鉄道」の意味・わかりやすい解説

臨海鉄道 (りんかいてつどう)

日本の臨海工業地帯における貨物専用の民営鉄道。臨海工業地帯での貨物の輸送体制の整備あるいは地域開発計画に伴う地元の要請に対応するため,設立育成されたもの。鉄道として免許されているが,出資者には荷主である進出企業のほか,地方公共団体およびJR(旧国鉄)も加わっているため,民営鉄道とはいえ第三セクター的性格を持っている。1962年9月,京葉臨海工業地域に京葉臨海鉄道(株)が設立されて以来,釧路開発埠頭(株),苫小牧港開発(株),並びに八戸秋田,仙台,新潟,福島鹿島,神奈川,衣浦,名古屋および水島などの各臨海鉄道(株)が設立,運営されてきた。臨海鉄道は,進出企業にとっては流通コストを低減でき,地方公共団体にとっては地域整備の促進が図れるほか,JRにとっても鉄道貨物の確保などの利点がある。なお,JR貨物の全取扱量の約2割が臨海鉄道の取扱量である(1996年度)。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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