病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「自律神経作用剤」の解説
自律神経作用剤
自律神経は交感神経と副交感神経に分けられ、この2つが相反する作用を示すことで体のはたらきがコントロールされています。交感神経と副交感神経のバランスは、アドレナリン、アセチルコリンという化学伝達物質によって保たれています。
交感神経と副交感神経のバランスがくずれると、臓器や器官のはたらきが過度になったり、逆にはたらきが低下し、臓器や器官に応じてさまざまな症状がおこってきます。
こうした自律神経のはたらきを調節し、不快な症状を解消するのが自律神経作用剤です。次のような種類がありますが、自律神経調整剤以外はほかの項目で解説しているので、ここでは自律神経調整剤のみ解説します。
■自律神経調整剤 自律神経のはたらきは、
■交感神経興奮剤(アドレナリン作動剤) アドレナリンの作用を強めて交感神経のはたらきを活発にする薬で、気管支拡張剤のエフェドリン塩酸塩製剤などがあります。
■交感神経抑制剤(アドレナリン遮断剤) アドレナリンの作用を抑えて交感神経のはたらきを低下させる薬で、不整脈治療剤のβ‐ブロッカー製剤などがあります。
■副交感神経興奮剤(コリン作動剤) アセチルコリンの作用を強めて副交感神経のはたらきを活発にする薬で、健胃消化剤のカルニチン塩化物、カルプロニウム塩化物水和物、筋無力症治療剤、緑内障治療剤などがあります。
■副交感神経抑制剤 アセチルコリンのはたらきを抑えて副交感神経のはたらきを低下させる薬で、各種の抗コリン剤、パーキンソン病治療剤、緑内障治療剤などとして用いられています。
■自律神経遮断剤 自律神経全体のはたらきを低下させる薬で、作用が強く、ほとんどが重症の高血圧症や末梢血管の循環障害の治療剤(注射剤)として用いられています。
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