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化学伝達物質 カガクデンタツブッシツ

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デジタル大辞泉の解説

かがく‐でんたつぶっしつ〔クワガク‐〕【化学伝達物質】

神経伝達物質

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大辞林 第三版の解説

かがくでんたつぶっしつ【化学伝達物質】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

化学伝達物質
かがくでんたつぶっしつ
chemical transmitter

動物の神経末端および感覚細胞から放出され、化学的伝達の仲立ちをする物質の総称。神経伝達物質または伝達物質ともいわれる。化学的伝達の典型的な例においては、神経の電気的なインパルスによる情報はいったん化学的情報に置き換えられ、次の細胞でふたたび電気的情報に変えられる。伝達物質として、神経筋接合部および副交感神経末端のアセチルコリン交感神経末端のノルアドレナリン、甲殻類伸張受容器の抑制性シナプスにおけるγ‐アミノ酪酸GABA)のほか、セロトニン(5‐ヒドロキシトリプタミン、略称5‐HT)、ドーパミングルタミン酸アデノシン三リン酸ATP)や、中枢において痛覚の抑制に関与するエンドルフィン類など、多くのものが知られている。アセチルコリンなどの典型的な伝達物質は、直径40~200ナノメートルのシナプス小胞中に蓄えられており、その物質ごとにシナプス小胞の形と大きさが異なっている。神経末端に活動電位が到着してシナプス前膜が脱分極すると、膜外よりカルシウムイオンが流入し、シナプス小胞がシナプス前膜と融合して、中の伝達物質が放出される。伝達物質は20~50ナノメートルのシナプス間隙(かんげき)を拡散してシナプス下膜に達し、そこで特定のレセプターと結合してシナプス下膜のイオン透過性を変化させ、シナプス後電位を発生させる。これは、化学伝達物質が、リガンド依存性イオンチャンネルに、リガンドとして結合し、チャンネルを開くことによる。シナプス後電位には、脱分極性の興奮性シナプス後電位(EPSP)と、過分極性の抑制性シナプス後電位(IPSP)がある。また、抑制性シナプス伝達には明白な電位変化を伴わないものがある。このなかには、シナプス前繊維にさらに別のシナプスがあり伝達物質の放出量を制限する場合が含まれており、この働きはシナプス前抑制とよばれる。シナプス伝達が興奮性であるか抑制性であるかは、原則的には伝達物質によらず、レセプターにより定まる。たとえばアセチルコリンは、アメフラシの神経節では、興奮性にも抑制性にも働いていることが知られている。
 伝達物質は、一個一個の分子としてではなく、シナプス小胞に含まれる一定量(素量)が単位となって放出される(素量的放出)。シナプス前繊維が休止状態にあっても、低頻度でシナプス小胞より伝達物質が放出され、シナプス後繊維に1ミリボルト弱の微小シナプス後電位を発生させる。アセチルコリンレセプター1個により開くイオンチャンネルは、平均1~1.5ミリ秒の間0.2マイクロボルトの脱分極をおこし、また1ミリボルト弱の微小シナプス後電位は、約1500のチャンネルが開くことに対応する。1個のイオンチャンネルが開くと数ピコアンペア(ピコは10-12)の電流が流れる。アセチルコリン、GABAなどのレセプターは、類似の構造をもった膜タンパク質であり、共通の起源をもつと考えられる。[村上 彰]

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世界大百科事典内の化学伝達物質の言及

【小脳】より

…つまり,小脳皮質の出力信号はすべて抑制性のシナプス作用をもっている。 上記の各ニューロンの作用を仲介する化学伝達物質は,プルキンエ細胞とバスケット細胞ではγ‐アミノ酪酸,星状細胞ではタウリン,顆粒細胞ではグルタミン酸,登上繊維ではアスパラギン酸と考えられる。苔状繊維にはアセチルコリンやP物質を化学伝達物質とするものがあるが,大部分については不明である。…

【神経系】より

…シナプスには興奮伝達の様式の違いによって電気シナプスと化学シナプスが区別されているが,電気シナプスの例は少ない。哺乳類のシナプスは通常,化学シナプスであり,興奮伝達は化学物質(化学伝達物質chemical transmitter)を介して行われる。化学シナプスのシナプス前要素,すなわち軸索終末には化学伝達物質を含むシナプス小胞synaptic vesicle(直径30~60nm)が集合しており,軸索終末の細胞膜は次のニューロンの樹状突起ないし細胞体の細胞膜と幅20~30nmの間隙(かんげき)(シナプス間隙synaptic cleft∥synaptic gap)をもって相対している。…

※「化学伝達物質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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