自由米(読み)じゆうまい

精選版 日本国語大辞典 「自由米」の意味・読み・例文・類語

じゆう‐まい ジイウ‥【自由米】

〘名〙 旧食糧管理法のもとで、規定に違反して流通する米。政府米自主流通米に対していう。闇米。平成七年(一九九五)、新食糧法施行により、計画外流通米として公認された。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「自由米」の意味・わかりやすい解説

自由米 (じゆうまい)

従来,米の流通は国の直接管理のもとにあり,生産者は生産した米のうち自家消費分,非営利的譲渡分を除いた残りの米はいっさい国に売らねばならず,また米の流通は指定ないし許可を受けた業者にのみ許されてきた。しかし実際には正規なもの以外に流通するやみ米があり,この不正規流通米を自由米といっていた。自由米は米の統制が厳しかった米不足時代には,農家供出米より高く売れるし,消費者は不足を補うことができるという意味をもっていた。また1969年に自主流通米制度が発足する以前は,うまい米という役割をもっていた。自主流通米制度発足以後は,自由米はむしろ生産調整,買入制限との関係(農家の保有米は実際の消費量よりかなり多く見積もられているとみられる),流通上の矛盾の結果として発生していた。95年の新食糧法のもとでは農家の売渡し義務はなくなって販売は自由になり,いわゆる自由米が公認されて計画外流通米といわれるようになった。しかし計画流通制度と生産調整があるかぎり,計画外流通米は自由米的であり日陰者的な色彩を帯びている。96年産米の出回量のうち,計画外流通米(自由米)は37%程度とみられる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自由米」の意味・わかりやすい解説

自由米
じゆうまい

不正規流通米」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の自由米の言及

【仲間取引】より

…家電製品などブランド・イメージの強い商品の場合,取引メーカー以外の製品が欲しいという注文が入って,そのブランドがなければ,自分の手持ちブランド商品と交換する形で注文ブランドを他の問屋から仕入れるという例である。仲間取引を発生要因別に,(1)荷の融通機能を主とするもの,(2)ブランド交換機能を求めるものに分けると,(1)では鋼材,非鉄金属,石油製品,綿糸,毛糸,豆類などが代表例であり,(2)ではテレビ,ステレオなど家電製品,自由米などが代表的な商品となる。(1)の商品群は,(a)品質が比較的均一,(b)腐りにくく在庫しやすい,(c)需要家層が厚く広い,(d)生産と消費の間の取引段階が多い,といった特徴がある。…

※「自由米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android