船木田庄(読み)ふなきたのしよう

日本歴史地名大系 「船木田庄」の解説

船木田庄
ふなきたのしよう

現日野市および八王子市東部一帯を含むとみられる庄園。はじめ皇嘉門院領、その後摂関家領・京都東福寺領となる。現八王子市中山なかやまの白山神社経塚群で出土した経筒に納められた観普賢経の奥書に、仁平四年(一一五四)九月二〇日「武蔵国西郡船木田御庄内長隆寺許 西谷」において書写したとある。治承四年(一一八〇)五月一一日、皇嘉門院(崇徳天皇中宮、藤原忠通の娘聖子)は船木田本庄・同新庄を弟九条兼実の嫡子九条良通に譲与した(「皇嘉門院御処分状并後白河法皇勅報」九条家文書)。良通が夭折した後、弟の良経、その息子道家と伝領され、建長二年(一二五〇)一一月、道家はともに地頭請所となっていた船木田新庄を息子の一条実経に、船木田本庄を孫の九条忠家に譲与した(「九条道家初度惣処分状」同文書)。藤原(天野)顕政は、永仁二年(一二九四)九月二九日、父親の安芸前司景経法師(心空)から譲られた「船木田新庄由比内横河村」地頭職などの領有を認められている(「関東下知状」尊経閣文庫所蔵文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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