艀ける(読み)ハシケル

デジタル大辞泉 「艀ける」の意味・読み・例文・類語

はし・ける【×艀ける】

[動カ下一]《「はしけ(艀)」の動詞化
艀で乗客貨物を運ぶ。
飛脚船を―・けて」〈魯文西洋道中膝栗毛
こっそり他へ移す。隠す。
くぐり戸がなると、そりゃを合図に戸棚へ―・け、かんざしで前髪いぢりながら」〈滑・阿多福仮面〉
くすねる。ちょろまかす。
「ちっとばかり―・けたとって知れるものか」〈滑・続膝栗毛・八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「艀ける」の意味・読み・例文・類語

はし・ける【艀】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 ( 名詞「はしけ(艀)」の動詞化 )
  2. 陸と本船との間を艀船で往復して、貨物や旅客などを運ぶ。
    1. [初出の実例]「振新がおくり物をはしけるやうにして持てくるの」(出典:洒落本・文選臥坐(1790)東北の雲談)
  3. 他へ移す。他の場所に転ずる。また、こっそり移す。隠す。
    1. [初出の実例]「かまくらのいけすへ娵(よめ)は身をはしけ」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦一三(1763)満二)
  4. 盗む。くすねる。ちょろまかす。
    1. [初出の実例]「小べんぐみのめかけ船は、尻にほをかけて、仕度金をはしけたがる」(出典:黄表紙・俟待開帳話(1803)下)

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