(読み)ハシケ

世界大百科事典 第2版の解説

はしけ【艀 barge】

はしけ船の略。現在ではバージと呼ばれることも多い。一般には港内,内海,河川などで貨物を運搬する小型船の総称として用いられる。非自航船が大部分であり,使用水域が平穏で,かつ浅喫水を要求されることなどから箱型平底船体構造をもつ。日本では,達磨船団平船伝馬船などが古くから近距離および中継輸送用のはしけとして,また倉庫代用の倉はしけとして,輸送の補助機関使われてきたが,アメリカ,ヨーロッパ,ソ連(現ロシア)などでは早くから内陸河川輸送の有力な輸送機関として広く用いられてきた。

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大辞林 第三版の解説

はしけ【艀】

波止場と本船との間を往復して、旅客・貨物を運ぶ小舟。艀船。瀬取船せどりぶね。上荷船うわにぶね

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


はしけ
bargelighter

河川、運河、湾内、港内などでの貨物輸送にあたる舟艇。基地間の輸送にあたるものと、船舶への積み荷、揚げ荷に従事するものとがある。貨物の扱いの便宜上、幅が広く底の平たい船型が特徴で、推進機を備えて自航する形式と、曳航(えいこう)される動力のない形式がある。用途によって一般貨物用艀、油(あぶら)艀(オイルバージ)、石炭艀(コールバージ)などがある。内海などの遠距離用には長さが100メートル前後の大型もあり、特殊な形式としては、そのままバージ・キャリアーに搭載するものもある。[岩井 聰]

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精選版 日本国語大辞典の解説

はしけ【艀】

〘名〙 「はしけぶね(艀船)」の略。
※禁令考‐前集・第四・巻三四・明和四年(1767)一〇月「元船濡米有之哉吟味いたし、艀下之儀無油断申付」

はし・ける【艀】

〘他カ下一〙 (名詞「はしけ(艀)」の動詞化)
① 陸と本船との間を艀船で往復して、貨物や旅客などを運ぶ。
洒落本・文選臥坐(1790)東北の雲談「振新がおくり物をはしけるやうにして持てくるの」
② 他へ移す。他の場所に転ずる。また、こっそり移す。隠す。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一三(1763)満二「かまくらのいけすへ娵(よめ)は身をはしけ」
③ 盗む。くすねる。ちょろまかす。
※黄表紙・俟待開帳話(1803)下「小べんぐみのめかけ船は、尻にほをかけて、仕度金をはしけたがる」

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世界大百科事典内のの言及

【ライター】より

…点火器,とくにタバコの火をつけるためのシガレットライター。1779年ころにイタリアのペイラL.Peylaが,ガラス管に蠟(ろう)を入れ,一方の端末にリン,硫黄,油を詰め,ガラス管を折ることで発火する〈トリノのろうそく〉を発明した。また1823年にはドイツの化学者J.W.デーベライナーが水素発生装置のガラス容器の口に白金海綿(海綿状にした白金)をつけ,これに水素を吹きつけると発火する点火器をつくり,28年にはドイツとイギリスで約2万個が使われていたという。…

【家船】より

…しかしいずれも現在は陸上の生活に変わってしまった。なお,このような海上居住の漂泊漁民と,昭和20年代末ごろまで東京港や大阪港にいて沖合停泊の貨物船から陸上への貨物運搬をしていた艀(はしけ)船の水上生活者とはいかなる関連を有するかという問題はいまだにはっきりせず,現在ではこうした艀での運搬業者の生活も消滅してしまった。家船に類似した海上漂泊民が香港や東南アジアのフィリピン南部,タイ南部からマレーシア,インドネシアに見られるが,いずれも日本の家船との関連は明確ではない。…

※「艀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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