良田庄(読み)よしだのしよう

日本歴史地名大系 「良田庄」の解説

良田庄
よしだのしよう

古代多度たど良田郷(和名抄)の郷名を継ぐ。善通寺領で、庄域は良田郷の西半分。現在の下吉田しもよしだ町および上吉田町西部の地域にあたるか。良田郷西寄りの地域は建治二年(一二七六)六月九日、善通寺の申請ならびに国司との和与によって、国衙正税五果は同寺から国衙に納め、郷務は善通寺金堂・法花堂供僧が支配すべしという亀山上皇の院宣(善通寺文書)が出された。これは善通寺に良田郷西半分の郷司職が与えられたものと解される。同時に国使不入の地とされ、弘安四年(一二八一)八月二八日の官宣旨(同文書)で大嘗会役夫工造内裏以下恒例臨時勅院事大小国役国使入勘が停止され、さらに同六年四月の国司庁宣(同文書)によって国衙惣検の停止および国衙へ納入の正税五果を免除され、この地域は善通寺金堂・法花堂の支配する一円不輸の庄園となった。庁宣ではこの寺領を良田庄と記しているが、康永元年(一三四二)と推定される寺領目録案(同文書)その他多くの史料では良田郷領家職と称している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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