色素胞(読み)しきそほう(英語表記)chromatophore

翻訳|chromatophore

精選版 日本国語大辞典 「色素胞」の意味・読み・例文・類語

しきそ‐ほう ‥ハウ【色素胞】

〘名〙
色素細胞うち大形で樹枝状突起をもつもの。
② =しきそさいぼう(色素細胞)〔医語類聚(1872)〕

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デジタル大辞泉 「色素胞」の意味・読み・例文・類語

しきそ‐ほう〔‐ハウ〕【色素胞】

色素細胞のうち、大形で樹状の突起をもつもの。黒色素胞、赤色素胞、黄色素胞、白色素胞など。

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改訂新版 世界大百科事典 「色素胞」の意味・わかりやすい解説

色素胞 (しきそほう)
chromatophore

色素細胞の一種で,一般には体表にあって体色変化に関係する細胞をいう。色素胞は細胞の中心部から体表に沿って放射状にのびる樹枝状突起をもっている。細胞質内の色素顆粒(かりゆう)の種類により黒色素胞,赤色素胞,黄色素胞,白色素胞などに分類される。これらのうち黒色素胞の場合には,メラニン色素を含むメラノソームmelanosomeと呼ばれる黒色素顆粒が細胞の中心部にいっせいに凝集すると体色は白っぽくなる。一方,メラノソームが樹枝状突起の中へ拡散すると黒っぽくなる。このような体色変化は環境の色に合わせて急速に行われ,魚類爬虫類では色素胞神経(網膜から直接色素胞に達して色素顆粒を凝集させるコリン性神経と,拡散させるモノアミン性神経がある)によって支配されている場合が多い。一般に脳下垂体中葉の黒色素胞刺激ホルモンによって拡散し,松果体のメラトニンによって凝集することが知られている。中葉のホルモンはそのほかに色素顆粒の合成を促進する作用をもっている。
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世界大百科事典(旧版)内の色素胞の言及

【体色変化】より

…主として色素胞の活動により動物の体色が変化すること。動物の個体あるいは種族維持にとって重要な意義をもつ現象である。…

※「色素胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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