黒色素胞(読み)コクシキソホウ

デジタル大辞泉 「黒色素胞」の意味・読み・例文・類語

こく‐しきそほう〔‐シキソハウ〕【黒色素胞】

動物色素細胞で、細胞質内にメラニン顆粒多数含んでいるもの。魚類両生類爬虫はちゅう類などの真皮にあり、体色変化関係メラノフォアともいい、鳥類哺乳類のものをメラノサイトとよんで区別することがある。

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精選版 日本国語大辞典 「黒色素胞」の意味・読み・例文・類語

こく‐しきそほう‥シキソハウ【黒色素胞】

  1. 〘 名詞 〙 動物の体内にみられる色素細胞の一つ。細胞質内に黒色または褐色メラニン顆粒を多く含み、体色変化に関係する。魚類、両生類、爬虫類では真皮に、節足動物では表皮に含まれる。メラニン色素細胞。黒色(こくしょく)細胞。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒色素胞」の意味・わかりやすい解説

黒色素胞
こくしきそほう

動物がもつ、メラニン顆粒(かりゅう)を含む色素胞で、メラノフォアmelanophoreともいう。魚類など変温脊椎(せきつい)動物の真皮にあるものは、顆粒の拡散凝集により、体色の暗化と明化に役だつ。これを生理的体色変化といい、ホルモンまたは神経による調節を受けている。哺乳(ほにゅう)類や鳥類の表皮にあるものはとくにメラノサイトとよび、ここで生産された色素顆粒は表皮細胞に送られ、皮膚、毛、羽毛、嘴(くちばし)の暗化に役だつ。

[村上 彰]

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世界大百科事典(旧版)内の黒色素胞の言及

【色素胞】より

…色素胞は細胞の中心部から体表に沿って放射状にのびる樹枝状突起をもっている。細胞質内の色素顆粒(かりゆう)の種類により黒色素胞,赤色素胞,黄色素胞,白色素胞などに分類される。これらのうち黒色素胞の場合には,メラニン色素を含むメラノソームmelanosomeと呼ばれる黒色素顆粒が細胞の中心部にいっせいに凝集すると体色は白っぽくなる。…

【メラニン】より

…メラニンはアルカリや温濃硫酸には溶けるが,水には溶けない。メラニンの生成は黒色素芽細胞が分化した黒色素胞(定温動物ではメラノサイトmelanocyte,変温動物ではメラノフォアmelanophoreと呼ばれることが多い)の細胞質内に形成される特殊な構造であるメラノソームmelanosome中で行われる。この過程は詳しく研究されている。…

※「黒色素胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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