芍薬亭長根(読み)しゃくやくていながね

精選版 日本国語大辞典 「芍薬亭長根」の意味・読み・例文・類語

しゃくやくてい‐ながね【芍薬亭長根】

  1. 江戸後期の戯作者狂歌師通称本阿彌三郎兵衛。本阿彌光悦七世の孫で、刀剣鑑定を業とした。手柄岡持(初世喜三二)から号をゆずり受けて、二世朋誠堂喜三二、二世浅黄裏成などとも号した。戯作はふるわなかったが、晩年狂歌で名を成した。明和四~弘化二年(一七六七‐一八四五

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「芍薬亭長根」の意味・わかりやすい解説

芍薬亭長根
しゃくやくていながね

[生]明和4(1767).江戸
[没]弘化2(1845).2.10. 江戸
江戸時代後期の狂歌師。本姓,菅原氏。通称,次郎右衛門あるいは三郎兵衛。別号,浅黄裏成 (あさぎのうらなり) ,三橋亭,潜亭,二代喜三二。本阿弥光悦7世の子孫で,代々鑑定を業とした。天明の初め初代朋誠堂喜三二 (手柄岡持 ) の門に入って戯作を試み,黄表紙『大千世界変人蔵』 (1789) や読本『濡衣草紙』 (1806) などを著作したがふるわず,狂歌をもっぱらにした。天明狂歌の諸大家の没後,文政調の一派を立て,江戸狂歌壇の中心作家となった。著書『狂歌名所図会』 (13) ,『狂歌人物誌』 (14) ,狂歌集『興歌六々集』 (40) など。『興歌当夢化廼花 (きょうかたむけのはな) 』 (50) はその追善狂歌集である。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「芍薬亭長根」の解説

芍薬亭長根 しゃくやくてい-ながね

1767-1845 江戸時代後期の狂歌師,戯作(げさく)者。
明和4年生まれ。江戸の人。姓は本阿弥で,本阿弥光悦の7代目にあたる。朋誠堂喜三二(ほうせいどう-きさんじ)に戯作をまなぶ。文政初年に狂歌の水魚連を結成し,「文政調」をとなえて一派をなした。弘化(こうか)2年2月10日死去。79歳。名は親平。通称は六郎右衛門。別号に浅黄裏成(2代),菅原長根など。法号は光恕。編著に「狂歌人物志」など。

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世界大百科事典(旧版)内の芍薬亭長根の言及

【狂歌】より

…これに次ぐ江戸狂歌の第二世代として宿屋飯盛,鹿都部真顔(しかつべのまがお),頭光(つぶりひかる),馬場金埒の狂歌四天王があり,なかでも天明調の純正狂歌を主張する飯盛と,優美高尚な狂歌を主張して〈俳諧歌〉と称した真顔は,文政(1818‐30)に至るまで長くライバルとして活躍した。文政以後は芍薬亭長根,文々舎蟹子丸らが活躍した。天明江戸狂歌は地方にも及んだが,京都,大坂,中国地方などには,中期上方狂歌の末流が勢力を保っていた。…

※「芍薬亭長根」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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