花を散らす(読み)はなをちらす

精選版 日本国語大辞典 「花を散らす」の意味・読み・例文・類語

はな【花】 を 散(ち)らす

  1. 風が吹いたりして、花を枝から落とす。
    1. [初出の実例]「花ちらす風の宿りはたれかしるわれに教へよ行きて恨みむ〈素性〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春下・七六)
  2. 法会などの時、仏に供養するため、紙を切った五色蓮華花びらをまき散らす。散華(さんげ)する。
    1. [初出の実例]「かぎりなくねんごろに念仏申て、水をあみ、香をたき、花をちらして」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一三)
  3. 合戦喧嘩などで激しくわたりあう。火花を散らす。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 美しいもの、あでやかなものをだいなしにする。
    1. [初出の実例]「色も香もあるおふたりが、自身(てんで)に花(ハナ)をちらすやうな、しうちは」(出典人情本春色辰巳園(1833‐35)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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