蓮(はす)の花。仏典では、ウトパラutpala(優鉢羅華(うはつらけ)、青(しょう)蓮華)、パドマpadma(波頭摩華(はずまけ)、紅(ぐ)蓮華)、プンダリーカpurīka(分陀利華(ふんだりけ)、白(びゃく)蓮華)、クムダkumuda(拘物頭華(くもつずけ)、黄(おう)蓮華)を列挙するが、ウトパラは睡蓮(すいれん)で、パドマとプンダリーカが一般に用いられる蓮華である。インドのビシュヌVi
u神話では、ビシュヌのへその中から生じた蓮華の中にブラフマー(梵天(ぼんてん))がいて万物を創造したという。「泥中(でいちゅう)の蓮華」というように、汚い泥に染まらず清らかで美しい蓮華は、仏典では清浄な姿を仏などに例える。仏・菩薩(ぼさつ)の座る蓮華の台を蓮台(れんだい)、蓮華座(れんげざ)という。『妙法蓮華経』は「白蓮華のように優れた教えを説く経」という意で経題に用いられている。『華厳(けごん)経』では、毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)の世界を蓮華蔵(れんげぞう)世界とよび、仏の住むこの世界を蓮華に例える。阿弥陀(あみだ)の浄土の蓮華の中に往生(おうじょう)することを蓮華化生(れんげけしょう)といい、密教では胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)の中心に、八弁の蓮華の葉の上に、大日如来(だいにちにょらい)を中央に四仏・四菩薩を周りに配したものを中台八葉院(ちゅうだいはちよういん)とよび、いずれも仏の大悲を表す。煩悩(ぼんのう)の汚れがなく、純粋無垢(むく)で清浄な状態を、仏身や、悟りの世界、浄土などと象徴的なものとして表現した。
[石上善應]
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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