朝日日本歴史人物事典 「花山院師信」の解説
花山院師信
生年:文永11(1274)
鎌倉後期の公卿,歌人。従一位内大臣。後花山院内大臣と号した。花山院内大臣師継の子。母は家女房であった毛利(大江)季光の娘。蔵人頭,参議などを経て延慶1(1308)年尊治親王(後醍醐天皇)の立太子と共に春宮大夫となり,践祚まで在任。のちに後醍醐側近として活躍した師賢はその子。元応1(1319)年内大臣となる。歌人としては文保百首や後二条院歌合他に出詠,『新後撰集』以下に17首入集。『臨永集』『草庵集』によりその邸でも五首歌会などを催していたことが知られる。大覚寺統の名臣だったが,対する花園院も師信の死を惜しみ,その才を称讃している。
(田渕句美子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報