芳心寺(読み)ほうしんじ

日本歴史地名大系 「芳心寺」の解説

芳心寺
ほうしんじ

[現在地名]鳥取市馬場町

馬場ばば町の南、大隣だいりん寺の南にある。近世には鳥取城下江崎上えざきうえの町(上の江崎)に続く山林かきヶ谷に位置する。大宝山と号し、日蓮宗本尊は仏法僧三宝。境内は東西二〇六間・南北一〇四間の広大な地を占め、末寺は六ヵ寺、塔頭本慈ほんじ院・完龍かんりゆう院があった(明治四年「因州分寺院籍」県立博物館蔵)。もと備前岡山にあって正福しようふく寺と称し、寛永九年(一六三二)池田光仲の国替に従って現在地に移った。その頃この地にあった寺院本妙ほんみよう庵を他所に移築して塔頭とし、その跡地に正福寺が建立された。本妙庵はのちに改号して本慈院となる。光仲夫人芳心院は宝永五年(一七〇八)江戸で死去し、池上本門寺に埋葬されたが、正徳三年(一七一三)二月、芳心院が生前念願としていた国元での菩提所建立の遺志を受けて正福寺に分骨埋葬された(鳥府志・因府年表)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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