芸術美(読み)げいじゅつび(英語表記)artistic beauty

精選版 日本国語大辞典 「芸術美」の意味・読み・例文・類語

げいじゅつ‐び【芸術美】

  1. 〘 名詞 〙 人間の創造意志によって芸術作品の形に表現された美。美術、音楽文学演劇舞踊建築など芸術分野に属する作品の美しさ。
    1. [初出の実例]「縦令(たとい)芸術美の外は何物をも見ざる極端の写実派と雖も」(出典社会百面相(1902)〈内田魯庵〉附録)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「芸術美」の意味・わかりやすい解説

芸術美
げいじゅつび
artistic beauty

自然美に対する人工的,芸術的な美。一般的に自然の所与のなかに現れる美,たとえば風景美などに対して,芸術がその表現を意図し,また実現した美をいかに関連づけ,あるいは区別するかは,古くから美学芸術学の中心課題の一つであった。たとえば自然美と芸術美をともに美的価値とみるカント,芸術の表現性あるいは意図性を重視して,自然美から芸術美を区別し,美的なものから芸術的なものを区別する M.デッソアール,自然美もまた芸術美によってのみ発見されるとするロマン派的立場から芸術美の一元性をとる F.シェリングなどがあげられる。

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世界大百科事典(旧版)内の芸術美の言及

【美】より


[美の所在]
 感性にふれる精神的価値たる広義の美はいたるところに遍在する。これを美をそなえる対象の領域についてみれば,美は〈自然美〉と〈芸術美〉に大別できる(中間態として〈技術美〉も挙げうる)。両者の区別は,芸術とは美的価値の創造という意図をもつ芸術家が素材の形成加工をはたした成果とみれば,対象に刻みこまれた美的意図の有無によって立てられる。…

※「芸術美」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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