若木神社(読み)おさなぎじんじや

日本歴史地名大系 「若木神社」の解説

若木神社
おさなぎじんじや

[現在地名]東根市神町

若木山山頂にあり、祭神大日貴尊。旧村社。寛政二年(一七九〇)の若木山略縁起草稿(武田文書)によれば、景行天皇の代に、日本武尊が若木の松を岩上に植えて天照大神の御霊代として遠賀乃社おかのやしろを祀り、その後弘法大師が当地を遍歴したときこの山の松と岩こそ霊木宝石であるとして若木山大権現痘瘡守護の神として麓に一宇を建立したという。文化七年(一八一〇)の若木山縁起(同文書)には、最澄が当地で奇瑞を見、一社を興して疱瘡守護神日本一社若木大権現と称したという。この二つの縁起はともに別当石宝院の執筆にかかる。疱瘡の神として広範な人々の信仰を得た。出羽三山参詣の行者宿である白岩しらいわ(現寒河江市)の冨士屋で、若木参詣の行者に発行した道しるべ版木に、道筋が「志らいわ・ひわだ・てんま・にしさと此所御制札より右江行・ようがえ・やち此所たかせきの舟わたしは、志んでん・おさなぎ」と記され、参詣者の多かったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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