草野 信男(読み)クサノ ノブオ

20世紀日本人名事典 「草野 信男」の解説

草野 信男
クサノ ノブオ

昭和・平成期の病理学者,平和運動家 元・原水爆禁止日本協議会理事長;元・東京大学教授。



生年
明治43(1910)年1月11日

没年
平成14(2002)年5月14日

出生地
東京・原宿

学歴〔年〕
東京帝大医学部〔昭和8年〕卒

学位〔年〕
医学博士

経歴
昭和15年東大附属伝染病研究所(医科学研究所の前身)に勤務。20年8月末、原爆投下直後の広島に伝研調査班員として入り、原爆被害の病理的調査研究に取り組み、原爆症の研究に着手。28年ウィーンの国際医師会議で原爆被害の実態を世界で初めて報告し、「原爆症」(英文)を出版した。また30年の第1回原水爆禁止世界大会以来、59年まで専門家として参加、被爆者問題を報告した。45年東京大学を定年退官後、50〜58年原水爆禁止日本協議会(日本原水協)理事長を務めた。チェルノブイリ救援などに取り組み、平成7年には「原爆症」を再刊。核戦争防止国際医師会議(IPPNW)を通じて世界の科学者に贈る運動を行うなど晩年まで核兵器禁止、被爆者救援に尽力した。他の著書に「原水爆と人間」「放射能」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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