荒田駅(読み)あらたのえき

日本歴史地名大系 「荒田駅」の解説

荒田駅
あらたのえき

延喜式」兵部省諸国駅伝馬条にみえる豊後国の駅家。同条には豊後国駅馬として「小野十疋。荒田、石井、直入、三重、丹生、高坂、長湯、由布各五疋」がみえる。この駅の配列は、駅馬一〇疋を配する小野おのと荒田・石井いしい以外は、各駅の比定地から直入なおいり郡・大野郡海部郡・大分郡・速見郡という、ほぼ「延喜式」全体にみられる郡の配列と合致する。日田・玖珠両郡に駅家が置かれていたことは「豊後国風土記」の記載からも明らかであるから、荒田・石井の両駅が日田・玖珠両郡の駅家と考えるのが妥当である。この両駅のうち、「豊後国志」は石井駅を日田郡の駅家にあて、「今は廃して村となる」(原漢文)とし「箋釈豊後風土記」は、当駅を球珠郡の駅として「今案ずるに、古後郷に古駅址有り。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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