荒立つ(読み)アラダツ

デジタル大辞泉 「荒立つ」の意味・読み・例文・類語

あら‐だ・つ【荒立つ】

[動タ五(四)]
荒々しくなる。荒れる。「波が―・つ」「気が―・つ」
物事がもつれて面倒になる。また、もつれた結果表沙汰になる。「事が―・っては困る」
[動タ下二]あらだてる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「荒立つ」の意味・読み・例文・類語

あら‐だ・つ【荒立】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 タ行五(四) 〙
    1. 波風、人の心などが)荒くなる。荒れ始める。
      1. (イ) 風、波、天候などがおだやかでなくなる。
        1. [初出の実例]「神無月夕日のかげになりにけりあらだちそむる沖つ白波〈宮内卿〉」(出典:千五百番歌合(1202‐03頃)九〇七番)
      2. (ロ) 人の心がおだやかでなくなる。いらだつ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    2. 荒々しくふるまう。乱暴なことをする。
      1. [初出の実例]「いとやはらかにのたまひて、鬼神(おにがみ)もあらだつまじきけはひなれば」(出典源氏物語(1001‐14頃)帚木)
    3. 物事がまるく納まらず、ごたごたが表沙汰になる。
      1. [初出の実例]「アコレ、殊あらだってはかへっていかが」(出典:歌舞伎・お染久松色読販(1813)序幕)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙あらだてる(荒立)

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