朝日日本歴史人物事典 「菊岡沾涼」の解説
菊岡沾涼
生年:延宝8(1680)
江戸中期の俳人。伊賀上野(三重県)の人で,のち江戸に住む。飯束三悦の実子で,菊岡行尚の養子となる。別号,崔下庵,南仙斎など。俳諧においては,芳賀一晶について南仙,内藤露沾について沾涼,と号した。点者としての活躍も注目されるが,『綾錦』『鳥山彦』に俳人の系譜などを整理し,譬喩俳諧批判におよんだことは有名。俳壇的野心を持ちあわせると同時に,和漢の学に通暁した人。『江戸砂子』などの地誌や考証書もある。<参考文献>島田筑波「金工菊岡光行」(『島田筑波集』上)
(楠元六男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報