朝日日本歴史人物事典 「菊池持朝」の解説
菊池持朝
生年:応永16(1409)
室町時代の守護大名。肥後守兼朝の子,武朝の孫。初名持武。本拠は肥後隈府(熊本県菊池市)。南朝方の伝統を持つ菊池氏歴代中,室町将軍(足利義持)の諱の1字を名乗りとする唯一例。豊後の大友持直・親綱の争いでは永享初年より親綱を助け,上意を号して筑後を押領したと持直に訴えられるが,室町幕府は持朝の前後の行動を神妙と評価。永享5(1433)年,将軍足利義教から筑後守護職を与えられている。義教が謀殺された嘉吉の乱に際しては幕府側に協力。菊池川河口の港を押さえていた一族高瀬泰朝を追い,諸子を有力一族の養子とするなど,守護大名菊池氏の勢威を内外に高めたとみられる。<参考文献>『満済准后日記』『相良文書』
(阿蘇品保夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報