菊河宿(読み)きくがわしゆく

日本歴史地名大系 「菊河宿」の解説

菊河宿
きくがわしゆく

菊川きくがわ辺りに所在した中世東海道宿駅。「吾妻鏡」建久元年(一一九〇)一〇月一三日条に菊河宿とみえ、源頼朝は上洛の途上菊河に宿泊、このとき供奉していた佐々木三郎盛綱が鮭の楚割を頼朝に献じたところ、頼朝は大変喜んで楚割を載せた折敷に歌を書いて返したという。承久の乱で首謀者の一人として捕らえられ鎌倉に護送される前中納言藤原宗行(葉室宗行、中御門入道とも)は、当宿に宿泊した承久三年(一二二一)七月一〇日の夜に宿の柱に「昔南陽県菊水、汲下流而延齢、今東海道菊河、宿西岸而失命」と詩を書付け、自分の運命を嘆いたという(「吾妻鏡」同日条、「海道記」貞応二年四月一二日条など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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