薗財庄(読み)そのたからのしよう

日本歴史地名大系 「薗財庄」の解説

薗財庄
そのたからのしよう

日高川河口近くの北岸を荘域としたと推定される石清水いわしみず八幡宮寺領の荘園。天平宝字五年(七六一)のものと思われる平城宮出土木簡に、日高郡たから郷の矢田部益占が塩三斗を調として納めたことがみえ、「和名抄」に日高郡財部たから郷があり、薗財庄は財部郷を中心に成立したと考えられる。延久四年(一〇七二)九月五日付の太政官牒(石清水文書)に「壱処 字薗財庄 日高郡」とあり、長元八年(一〇三五)紀広明らにより石清水八幡宮寺に施入され、長暦二年(一〇三八)荒田三〇町、畠二〇町、塩浜などの四至免判が発行されたことがわかる。嘉応元年(一一六九)九月二九日付の紀伊国司庁宣写(鞆淵八幡神社文書)により、薗財庄などの勅事・院事・臨時国役が免除された。

承安元年(一一七一)一二月一二日付の官宣旨案(石清水文書)によれば、石清水八幡宮宝塔ほうとう院主成清が、当庄を含む同院領諸国荘園一二ヵ所で、年貢を納めず所役を勤めず、領主と称して私領のごとく子孫に譲渡する者がいると訴えたのに対し、これらの荘園は院家に付すべきこととされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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