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薬師徳保(読み)くすし・とくほ

朝日日本歴史人物事典 「薬師徳保」の解説

薬師徳保

生年生没年不詳
飛鳥時代仏師法隆寺金堂四天王像の多聞天像の光背に刻銘された人物で,同じく広目天像の光背に名前がみえる「山口大口費」と共に,四天王像を制作した仏師のひとりとみなされる。薬師は,元来医術に従事した百済系氏族の難波薬師一族が,日本に帰化して称した姓で,徳保も同族との説がある。<参考文献>大矢三津江「日本古代の造仏工に関する一考察―労働編成形態からのアプローチ―」(『お茶の水史学』15号)

(浅井和春)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「薬師徳保」の解説

薬師徳保 くすしの-とくほ

?-? 飛鳥(あすか)時代の仏師。
法隆寺金堂四天王像の多聞天像の光背にその名があり,鐵師〓(左の縦棒と下の横棒がない“くにがまえ”に「手」)古(かぬちの-まらこ)とともにこの像を制作したといわれる。漢山口大口(あやのやまぐちの-おおぐち)が広目天像をつくったとおなじ白雉(はくち)元年(650)の作とみなされている。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「薬師徳保」の意味・わかりやすい解説

薬師徳保
くすしのとくほ

飛鳥時代の仏工。法隆寺金堂の四天王のうちの『多聞天像』の作者。その光背の銘文に鉄師 古 (てぬちまらこ) らとともに名が記されている。

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