蘇報(読み)そほう(その他表記)Su-bao; Su-pao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蘇報」の意味・わかりやすい解説

蘇報
そほう
Su-bao; Su-pao

中国,清末の新聞。光緒 22 (1896) 年に創刊。同 29年愛国学社の機関紙となり,革命宣伝紙としての役割を果した。清朝は,同年6月に逮捕した章炳麟,鄒容 (すうよう) ら6名に死刑を強行し,鄒の『革命軍』の出版や章の『駁康有為政見書』などの論説を掲載したことを理由に弾圧を加えようとした。しかし,上海首席領事 J.グッドノー反対もあって,翌年章に監禁3年,鄒に監禁2年,他の者は全員釈放という判決に落ち着いた。この事件によって清朝の政治的無力内外に暴露され,革命的風潮が推進された。

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世界大百科事典(旧版)内の蘇報の言及

【上海】より

…清朝の権力の及ばぬ租界は,反清民族運動にとって好適な活動の場で,新しく発達した新聞・雑誌という手段でさまざまな言論が自由に発表された。1903年,上海愛国学社の機関誌である《蘇報》上で章炳麟(太炎)や鄒容(すうよう)は,反清民族革命論を説き,〈蘇報案(事件)〉をひきおこしたが,すでに清朝にはこれを処罰する力はなかった。辛亥革命前の上海は,商工会の民族資本家を中心に,一種の自治都市ともいえる実力を保有していた。…

※「蘇報」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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