蝶花形(読み)チョウハナガタ

デジタル大辞泉 「蝶花形」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐はながた〔テフ‐〕【×蝶花形】

祝宴のときに用いる銚子ちょうしなどにつける飾り。白紙チョウの形に折って、紅白水引をかけたもの。チョウは酒の毒を消すということから用いられる。蝶形

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精選版 日本国語大辞典 「蝶花形」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐はながた テフ‥【蝶花形】

[1] 〘名〙
① 紙で蝶の形を折ったもの。特に、祝宴の銚子提子(ひさげ)などの蓋に飾るもの。蝶は酒毒を消すというところから用いられる。蝶。蝶形。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※幸若・烏帽子折(寛永版)(室町末‐近世初)「へいじ一ぐ、てうはながたにくちつつみ」
② 紋所の名。蝶を折り紙におった形を図案化したもの。
歌舞伎阿国御前化粧鏡(1809)二幕「ムウ。蝶花形(テフハナガタ)に喜の字崩しの比翼紋」
[2] 浄瑠璃蝶花形名歌島台(ちょうはながためいかのしまだい)」の通称

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「蝶花形」の解説

蝶花形
(通称)
ちょうはながた

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
蝶花形恋聟源氏 など
初演
文化2.11(江戸河原崎座)

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世界大百科事典(旧版)内の蝶花形の言及

【銚子】より

…両口の右の口は切腹する人に酒を飲ませるもので,通常は紙で包んでおくとする説があったが,伊勢貞丈はこれを否定し,両口の銚子は大酒盛のときなど左右いずれの人へもつぐためのものだとしている。また,紙を折って蝶の形にした蝶花形(ちようはながた)を銚子につけるならわしは,いまでも屠蘇(とそ)を入れる提子などになごりをとどめている。徳利【西村 潔】。…

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