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折り紙 おりがみ

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日本文化いろは事典の解説

折り紙

折り紙は一枚の紙を折ることで様々な形を作りあげることを楽しむ遊びです。そのバリエーションは動物・植物など多種多様で、見る人の目を楽しませてくれます。毎年折紙コンテストも開催されるなど、昔から幅広い年齢層から人気を集めています。

出典|シナジーマーティング(株)
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

折り紙
おりがみ

紙を折り畳んで、形を表現する技法、遊戯をいう。オリカミ、織り紙ともいう。現在、「オリガミ」は国際語ともいわれ、日本の伝統工芸の一分野として、日本のみならず世界各国にその愛好者を増やしている。もともと幼児用とされてきた「折り紙」だが、その造形性と幾何学的構成が知的要素となって現代にマッチし、新しい「創作折り紙」の時代になったといえる。イラストデザイン、またテレビ、舞台装飾、広告芸術にも取り入れられるなど、その価値が見直されている。[菩提寺悦郎]

儀礼折り紙

「折り紙」は紙が日本に伝来(610年、僧曇徴(どんちょう)が伝えたとされる)して以来、生活様式のなかから自然発生的におこったものと思われるが、切り紙と交じり合って神社の祓(はらい)や御幣(ごへい)、垂(しで)(四手とも書く。玉串(たまぐし)、注連縄(しめなわ)などに垂れ下げるもの)などに始まり、政(まつりごと)や信仰などのなかで紙を折るという技法が発展したと考えられる。
 室町時代、将軍家が礼法を制定したとき、小笠原(おがさわら)流、伊勢(いせ)流折り紙が確立したといわれ、1764年(宝暦14)に著された伊勢貞丈(さだたけ)の『包の記』は「折据(おりすえ)」(折形(おりがた)。紙を折って種々の形を立体的につくること)の古典資料といわれている。このころ、上流社会には束帯など色による階級分類があったが、その判別に「折形」によってもわかるようくふうされたものもある。いまでも婚礼などに使用されている雄蝶(おちょう)雌蝶の目録折りなどの伝統様式に使われるものもこのなかに記載されている。また、この時代から紙を半折(はんせつ)したものを「折紙」といい、刀の本阿弥(ほんあみ)家、絵の狩野(かのう)家などが、書画、骨董(こっとう)などの真贋(しんがん)の鑑定書として使用したのが「折紙付き」の語源とされ、この半折したものは現在も文化財などの多くに付随して散見される。さらに、紋章なども切り込み折り紙の一種といわれ、製図用のコンパスや分度器のない時代に、その形を形成するための方法として、紙の重ね折りから考えられたといわれる。[菩提寺悦郎]

遊戯折り紙

室町時代になって、儀式折り紙の体型らしきものができたが、同時に御所などの官女たちの手すさびに、人形などの形を折り顔を書き入れた「御所折り」が発生、江戸中期全盛の遊戯折り紙につながる。「折り鶴(づる)」「奴(やっこ)さん」「袴(はかま)」などはこの時代にあったといわれ、「折り鶴」は鳥居清長(とりいきよなが)の浮世絵の衣装にもみられる。
 現在、折り鶴の古典といわれるものは『千羽鶴折据』と『何哉等草(かやらぐさ)』(加家等草、斯哉等草とも書く)で、折り方を図入りで載せている。現本の一部は、朝日新聞大阪本社資料室にある。『千羽鶴折据』は1797年(寛政9)京都の吉野屋為八によって発刊された。作者は桑名長円寺の住職魯縞庵義道(ろこうあんぎどう)で、1枚の紙に切り込みを入れ、連結させて折る折り鶴を、狂歌入りで書いてある。ほかに妹背山(いもせやま)、八つ橋、釣り舟など49種も載る。『何哉等草』は足立一之(あだちかずゆき)の著作で、1845年(弘化2)刊。目録ともで5集、232冊に及ぶ大作で、遊戯折り紙が35種記載されている。そのほかに『折形手本忠臣蔵』(作者不明)もあり、「宝船」「三方」など、切り込み、重ね折りを含めて80種ぐらいの折り方が考案されており、この時代の隆盛ぶりをうかがわせる。[菩提寺悦郎]

教育折り紙

明治時代の初期、折り紙は小学校低学年の教課に取り入れられたが、模倣性を出ないとして中止された。しかし、明治後期から大正にかけて、小学校・幼稚園等の幼児教育に繰り込まれ、1辺が15~18センチメートルくらいのカラー洋紙の折り紙や、種々の千代紙も普及、幼児たちの情操教育に対する効果が認められるようになった。かつては伝承性のみを追求していた折り紙が、現代になって基礎的形態教育、幾何学的推理能力などの知能開発教育の方法として、見直され始めている。[菩提寺悦郎]

現代折り紙

現代は折り紙の研究家も増え、多数の折り紙作家も輩出して、新しい作品を次々に発表するなど、創作活動は一段と活発になってきた。現在の折り紙では、切り込みなどはしないほうがよいとされ、1枚か2枚程度の紙で折る技法が主流で、切り込み折り紙とは一線を画している。折り紙は、折った線の柔らかさと、量感のある曲線で、断裁された線とは違う造形美をつくりだし、むしろ美術、工芸の分野ともいわれている。素材もいろいろのものを使い、和紙を折って色紙に構図を表現する絵画調や、ガラスケースの中に入れてインテリアとする彫刻調の装飾品をつくるなど、幅広い分野に応用されてきている。また、最近では折った紙そのものを焼くと、陶器になるものなども出てきた。
 現在、わが国には日本折紙協会や、国際折り紙研究会などの組織があり、出版、ボランティアほかを通じて、その普及に活躍している。[菩提寺悦郎]

外国の折り紙

アメリカではオッペンハイマー主宰のザ・フレンズ・オリガミ・オブ・アメリカThe Friends ORIGAMI of Americaは有名で、彼女は『何哉等草』の英訳本を出すなど、日本の古典折り紙の研究者としても知られている。イギリスにはブリティッシュ・オリガミ・ソサエティBritish ORIGAMI Societyがあり、イタリア、ベルギー、オランダなどにも折り紙協会の組織がある。スペインの哲学者ウナムーノやアルゼンチンのリジア・モントーヤ、フランスのレグマンなどの折り紙研究者が知られ、イギリスの銀行家ブリルも著名である。各組織や作家、研究者同士が連絡しあって、研究活動も国際的になってきている。[菩提寺悦郎]
『吉沢章著『折り紙博物誌 1、2』(1959・鎌倉書房) ▽高濱利恵著『暮しをかざるおりがみ』(1949・マコー社) ▽笠原邦彦著『学習百科図鑑 紙とおり紙』(1981・小学館) ▽河合豊彰著『折り紙全書』(1954・主婦と生活社)』

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