血行感染(読み)けっこうかんせん

精選版 日本国語大辞典 「血行感染」の意味・読み・例文・類語

けっこう‐かんせん ケッカウ‥【血行感染】

〘名〙 伝染病病原体が、血液循環によって、ある病巣から他の部分へと移行し、新しい病巣をつくること。血行伝染。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「血行感染」の意味・わかりやすい解説

血行感染
けっこうかんせん

感染症にかかったとき、体内のある病巣部から病原微生物血管内に入り、血流によって他の部位に運ばれ、そこに新しい病巣を形成して広がることをいう。いわゆる粟粒(ぞくりゅう)結核というのは血行感染によって広がった肺結核症で、結核菌はまず肺門リンパ節からリンパ管を通過して静脈内に入り、肺の全面に広がっている血管で菌がばらまかれ、アワ粒のような細かい病巣を肺全体につくる。また血流によって全身の各臓器にも運ばれると、腎臓(じんぞう)結核、骨関節結核性器結核結核性髄膜炎などもおこす。

 なお、腫瘍(しゅよう)細胞が血管内に入り、血流によって他の部位に運ばれ、そこに新しい病巣を形成する場合は、血行性転移という。

[柳下徳雄]

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