行人塚(読み)ギョウニンヅカ

デジタル大辞泉 「行人塚」の意味・読み・例文・類語

ぎょうにん‐づか〔ギヤウニン‐〕【行人塚】

行者が生きたまま埋葬され、即身成仏したと伝えられる塚。東日本に多い。

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精選版 日本国語大辞典 「行人塚」の意味・読み・例文・類語

ぎょうにん‐づかギャウニン‥【行人塚】

  1. 〘 名詞 〙 行者がそこにこもって飲食を断ち、生きながらにして仏になったという伝承をもつ塚。また、その伝説

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改訂新版 世界大百科事典 「行人塚」の意味・わかりやすい解説

行人塚 (ぎょうにんづか)

行人塚は供養塚に属するものと行者・修験者の自埋入定(にゆうじよう)を伝える塚とに大別でき,供養塚でありながらも後に入定伝説が付着したものもある。入定伝説をもつ塚は行人塚のほか,入定塚,山伏塚,法印塚,念仏塚などとも呼ばれ,関東地方を中心として東日本に多く分布している。入定した後の数日間は読経,念仏,鉦をたたく音が聞こえたとも伝えられる。入定の例としては,湯殿山の一世行人と称される修験の入定がよく知られており,現在即身仏としてまつられている本明海上人の場合は,一千日の十穀断ちなどの木食行をした後に61歳で入定したと伝えられている。入定者は死後に神としてまつられ,生前の誓願によって各種の効験を示す。この信仰弥勒信仰の衆生救済観にもとづき,空海の入定信仰の影響を受けて成立したといえる。なお供養塚としての行人塚は千葉県下の出羽三山登拝者が築く塚が代表的なものといえる。
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