行玄(読み)ぎょうげん

朝日日本歴史人物事典 「行玄」の解説

行玄

没年:久寿2.11.5(1155.12.1)
生年承徳1(1097)
平安後期の天台宗の僧。青蓮院第1世門主。関白藤原師実の子で母は源師房の娘。本名は良実。寛慶に従って比叡山に入り,良祐から灌頂を受ける。保延4(1138)年に天台座主となり,鳥羽上皇帰依を受けて大僧正に昇進し,法勝寺,尊勝寺,最勝寺などの別当を兼ねた。久安6(1150)年に住房の比叡山青蓮房を美福門院の御願寺とし,青蓮院と改称。また京都粟田口(京都市東山区)の三条白川房を再建し,鳥羽上皇の皇子で,行玄の弟子となった覚快法親王に譲った。この里房がのちの青蓮院である。<参考文献>勝野隆信「青蓮院とその秘密」(『日本歴史』223号)

(岡野浩二)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「行玄」の解説

行玄 ぎょうげん

1097-1155 平安時代後期の僧。
承徳(じょうとく)元年生まれ。藤原師実(もろざね)の子。比叡(ひえい)山の良祐にしたがい受戒。保安(ほうあん)4年天台座主(ざす)。康治(こうじ)元年近衛(このえ)天皇護持僧。久安6年最勝寺経供養の日を祈祷により晴天とした功で,比叡山の住坊が美福門院の御願寺となって青蓮院(しょうれんいん)と改称され,行玄は同院門跡(もんぜき)初世となった。久寿2年11月5日死去。59歳。

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