朝日日本歴史人物事典 「行玄」の解説
行玄
生年:承徳1(1097)
平安後期の天台宗の僧。青蓮院第1世門主。関白藤原師実の子で母は源師房の娘。本名は良実。寛慶に従って比叡山に入り,良祐から灌頂を受ける。保延4(1138)年に天台座主となり,鳥羽上皇の帰依を受けて大僧正に昇進し,法勝寺,尊勝寺,最勝寺などの別当を兼ねた。久安6(1150)年に住房の比叡山青蓮房を美福門院の御願寺とし,青蓮院と改称。また京都粟田口(京都市東山区)の三条白川房を再建し,鳥羽上皇の皇子で,行玄の弟子となった覚快法親王に譲った。この里房がのちの青蓮院である。<参考文献>勝野隆信「青蓮院とその秘密」(『日本歴史』223号)
(岡野浩二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報