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源経信 みなもとのつねのぶ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

源経信
みなもとのつねのぶ

[生]長和5(1016)
[没]承徳1(1097).閏1.6. 大宰府
平安時代中期の公卿,歌人。道方の子で,俊頼の父。正二位権大納言にいたり,晩年に大宰権帥に就任。その博識多才は藤原公任 (きんとう) と並称され,当時の歌壇の権威であったが,『後拾遺和歌集』の撰者になることができなかったので,『難後拾遺』 (1097) を書いて批判した。

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デジタル大辞泉の解説

みなもと‐の‐つねのぶ【源経信】

[1016~1097]平安後期の公卿・歌人。俊頼の父。桂大納言・帥(そち)大納言とよばれる。博識多芸で、詩歌・管弦に長じ、藤原公任(きんとう)と並んで三舟(さんしゅう)の才と称された。家集「大納言経信集」、歌論書「難後拾遺」、日記「帥記」。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

源経信 みなもとの-つねのぶ

1016-1097 平安時代中期-後期の公卿(くぎょう)。
長和5年生まれ。宇多源氏。治暦(じりゃく)3年(1067)参議。のち大納言,正二位にいたる。桂流琵琶(びわ)の祖で,詩歌にすぐれ,法令にも通じた。大宰権帥(だざいのごんのそち)となり,永長2年閏(うるう)1月6日任地で死去。82歳。桂大納言,帥大納言とよばれる。日記に「帥記」,家集に「大納言経信卿集」,歌論書に「難後拾遺」。
【格言など】夕されば門田の稲葉おとづれて葦のまろ屋に秋風ぞ吹く(「小倉百人一首」)

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朝日日本歴史人物事典の解説

源経信

没年:承徳1.閏1.6(1097.2.20)
生年:長和5(1016)
平安後期の公卿。帥 大納言,桂大納言と称される。権中納言道方と播磨守源国盛の娘の子。治暦1(1065)年蔵人頭 に任じられ,寛治5(1091)年大納言。嘉保1(1094)年,大宰権帥(副長官)となって大宰府(太宰府市)に赴き,3年後にそこで死去。『中右記』の作者藤原宗忠は「朝家の重臣」と讃え,その死を嘆いている。漢詩,和歌,管絃に秀で勅撰歌集『後拾遺集』を批判して『難後拾遺』を著した。琵琶は第一人者といわれ自筆の『琵琶譜』が現存。『帥記』と称する日記は院政期の重要な史料。白河天皇大堰川行幸で,それぞれに得意とするものを漢詩,和歌,奏楽の3船に分乗させ技を競いあわせたとき,わざと遅れて行って「どの船でもよいからつけてほしい」といって万能ぶりを誇示した。嵐山で恒例の三船祭はこの故事にもちなむ。百人一首に「夕されば門田の稲葉おとづれて蘆のまろやに秋風ぞ吹く」がある。<参考文献>後藤祥子「源経信伝の研究」(『和歌文学研究』18号)

(朧谷寿)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

みなもとのつねのぶ【源経信】

1016‐97(長和5‐承徳1)
平安後期の歌人,文人。別称は帥大納言,桂大納言。民部卿道方の子。大納言から大宰権帥となり,大宰府で没した。漢詩文,琵琶にも秀でる多才の人として当代の歌壇に重きをなし,《高陽院殿七番和歌合》などの歌合の判者をつとめた。和歌のあり方として典雅な声調美と情趣ある趣向を求め,歌作は客観的叙景歌の観照によいものがある。藤原通俊の撰進した《後拾遺和歌集》を低く評価し,《難後拾遺》を書いて論難した。家集に他撰の《大納言経信集》,日記に漢文体の《帥記(そちき)》がある。

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大辞林 第三版の解説

みなもとのつねのぶ【源経信】

1016~1097) 平安後期の廷臣・歌人。俊頼の父。帥大納言・桂大納言・源都督などと称された。大納言・大宰権帥。三船(詩・歌・管弦)の才を兼備。清新な歌風を示し、藤原通俊らと対立した。著「難後拾遺」、家集に「大納言経信集」「帥大納言集」がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

源経信
みなもとのつねのぶ
(1016―1097)

平安時代の歌人、漢詩人。正二位民部卿(きょう)道方の六男、母は播磨守(はりまのかみ)源国盛の女(むすめ)で歌人。歌人俊頼(としより)の父。廷臣として六朝に仕え、1094年(嘉保1)正(しょう)二位大納言(だいなごん)に大宰権帥(だざいのごんのそち)を兼ねたが、1097年(承徳1)閏(うるう)正月6日任地に没した。82歳。『十訓抄(じっきんしょう)』『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』は、三船(さんせん)(詩、歌、管絃(かんげん))の才を賛美する。詩文は、『本朝無題詩』『中右記部類紙背漢詩集』に25首の詩、『本朝続文粋(もんずい)』『朝野群載』『本朝文集』に4編の文章、家記『帥記(そっき)』を残し、和歌は、『後拾遺集』以下の勅撰(ちょくせん)集に85首、家集『大納言経信集』を残し、『後拾遺集』を批判した『難後拾遺』を著す。藤原公任(きんとう)や能因(のういん)法師、和歌六人党の歌人たちの理念や方法を継承して、中世的な晴の歌(宮廷詩)の理論と詠法を完成させた歌人として和歌史上注目されている。[上野 理]
『上野理著『後拾遺集前後』(1976・笠間書院) ▽金原理著『源経信』(『中古文学と漢文学』所収・1987・汲古書院)』

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世界大百科事典内の源経信の言及

【歌合】より

…《十巻本歌合》と通称される。近世以来《伝宗尊(むねたか)親王筆歌合巻》と呼ばれていたが,その成立ははるかに古く,関白藤原頼通(よりみち)が主宰し,源経信が監修した史上初の歌合証本集成事業であることが,1938年(昭和13)近衛家文書の中からその総目録が発見されるにおよんで判明した。20巻本の《類聚歌合》の全貌が解明されたのも同じ時の発見による。…

【大鏡】より

…作者不詳。近代以前に藤原為業,同能信,近代になっても,源経信,同俊明,同俊房らを作者に擬する諸説が出されたが,いずれも,これほどのものを書く能力をもつ人物はだれか,というところからの推測である。書中に,〈今年,万寿二年乙丑(きのとうし)とこそは申すめれ〉の文があり,作中人物の官位などもよく合っているので,久しく1025年(万寿2)成立と信じられていたが,ごく少数の点でくいちがいがあり,万寿2年は作者のフィクションの設定と見られるようになっている。…

【後拾遺和歌集】より

…伝統的な発想や表現をうけながら,新しい言葉を機知的に用いようとする新風への意欲がみられる。通俊以上に撰者の資格があると評された当代の代表歌人源経信(つねのぶ)は,勅撰集に対するはじめての批判である《難後拾遺》を書いて反駁し,やすきについて的確な表現の乏しくなったことを非難した。【藤岡 忠美】。…

【帥記】より

…大納言兼大宰権帥源経信の日記。記名は〈大宰権帥〉にもとづくが,〈帥〉の唐名〈都督〉によって《都記》ともいい,また《経信卿記》と称する。…

【藤原通俊】より

…1086年(応徳3)白河天皇の勅命により《後拾遺和歌集》を撰集して奏覧した。当時の歌界に重きをなした源経信,大江匡房をさしおいての撰者任命は,天皇の近臣ゆえのにおいもあって非難を浴び,源経信《難後拾遺》によって通俊の撰集は低く評価された。経信への答えは《後拾遺問答》にうかがわれるが,通俊の立場は機知的なおもしろさを志向する新風の主張にあって,経信の求める格調の高さと異なるものであった。…

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