衒売(読み)げんばい

精選版 日本国語大辞典 「衒売」の意味・読み・例文・類語

げん‐ばい【衒売】

  1. 〘 名詞 〙 品物などを実際よりよく見せて売ること。また、自分を売り込むこと。
    1. [初出の実例]「収伯姓口分田、献入四天王寺、其代田遙授比郡、無便往作、衒売価少」(出典:九条公爵家所蔵延喜式裏文書‐宝亀四年(773)二月一四日・太政官符案)
    2. 「倍根(ベイコン)曰く、学識は、利の為に、衒売(〈注〉テラヒウル)する店舗にあらず」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一一)
    3. [その他の文献]〔後漢書‐龐参伝〕

げん‐まい【衒売】

  1. 〘 名詞 〙 こびをうること。色を売ること。→衒売女色(げんまいにょしき)
    1. [初出の実例]「ししむらをうりて、みづから活し、女色を衒売(クンマイ)(〈注〉テライウル)する」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「衒売」の読み・字形・画数・意味

【衒売】げんばい

物をてらい、売る。〔後漢書参伝〕羌寇轉(うた)たんにして兵費日に廣し。且つ年登(みの)らず、餘なり。~今復(ま)た百姓發し、帛を取す。什物を衒賣して以ての求めに應ず。外は羌(きやうりよ)に傷(やぶ)られ、賦に困(くる)しむ。

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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