(読み)ゲン

デジタル大辞泉 「衒」の意味・読み・例文・類語

げん【衒】[漢字項目]

[音]ゲン(呉) [訓]てらう
見せびらかす。ひけらかす。てらう。「衒学衒気
難読女衒ぜげん

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精選版 日本国語大辞典 「衒」の意味・読み・例文・類語

てらいてらひ【衒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「てらう(衒)」の連用形名詞化 )
  2. ひけらかすこと。
    1. [初出の実例]「何のてらいもなく彼はそう思っていた」(出典:異郷(1973)〈加賀乙彦〉)
  3. へつらうこと。〔大坂繁花風土記(1814)〕

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普及版 字通 「衒」の読み・字形・画数・意味


11画

(異体字)
13画

[字音] ゲン
[字訓] てらう・うる

[説文解字]

[字形] 会意
正字はに作り、行+言。〔説文〕二下に「行き且つ賣るなり」とあり、重文として衒を録する。〔楚辞、天問〕に「妖夫曳衒(えいげん)す 何をか市(まち)に號(さけ)べる」とあって、憑(つ)きものがあって狂うような状態をいう。巫女がエクスタシーの状態に陥ることで、また衒媚(げんび)ともいう。媚は媚蠱(びこ)、呪物を用いて祈る巫女。道路で行う呪儀には(術)・(御)などがある。は祟(たたり)をなす獣(朮の形)を用い、は呪器としての午(杵(きね))を用いる。・衒もそれぞれその呪儀の方法を示す字である。〔説文〕のいう衒売はまた衒鬻(げんいく)ともいい、自ら売りこむ意。衒の本義は、などの字形と関連して考えるべきである。

[訓義]
1. てらう、みせびらかす、ごまかす。
2. うる、うりこむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕衒 テラフ・ウル・ヘツラフ・ウツム・アザムク・エラブ・カガヤカス・キラス・ナラフ・キラフ/ ウル 〔字鏡〕衒 カガヤカス・アキナフ・ウル・アザムク・ナヒヒ・テル・セム・ヘツラフ・テラフ・ウツム・キラフ・フテラフ・エラブ・キラス・カウカス・ナラフ/ ウル・テラフ・トガ・アザムク・ヘツラフ

[語系]
衒()・眩・)・幻hyuenは同声で、みな幻乱の意があり、衒はそのような呪的行為をいう。

[熟語]
衒異・衒鬻・衒外・衒学・衒気衒言衒夸衒沽衒巧衒才・衒妻・衒士衒辞・衒女・衒達衒張衒能・衒売・衒美衒婦・衒服・衒衒露・衒惑
[下接語]
曳衒・矜衒・估衒・誇衒・賈衒・自衒・媒衒・浮衒・遊衒

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