化学辞典 第2版 「リディール機構」の解説
リディール機構
リディールキコウ
Rideal mechanism
固体表面で進行する化学反応の機構の一つ.この機構では,吸着分子種と気相から飛来する分子,あるいは物理吸着層にある分子との反応過程を中心としている.1939年,E.K. Ridealはタングステン表面上のパラ-オルト水素転換反応において,吸着水素原子の結合による分子の脱離を生じない条件のもとでも転換反応が進むため,吸着水素原子H(a)と気相分子との反応を,
H(a) + p-H2 → H3(a) → H(a) + o-H2
としたのにはじまる.一般の表面反応でこの機構に従うとみられるものは少ないが,水素原子の再結合反応はその例の一つである.反応速度は,吸着分子種の表面密度(表面被覆率)および気相分子の分圧に比例する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報