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被害者報道 ひがいしゃほうどう

知恵蔵の解説

被害者報道

事件や事故の被害者についての取材や報道で、航空機事故や、JR宝塚線脱線事故など大事故の際の被害者報道のほか、最近では、犯罪被害者の葬儀等の写真撮影や過剰なプライバシー報道など、いわば報道による二次被害として批判されることも多い。また、女性の犯罪被害者の場合に、好奇心にみちた犯罪報道や私生活の暴露報道なども深刻な問題となった。2005年4月から施行された犯罪被害者等基本法は、犯罪被害者等の名誉や生活の平穏への配慮をうたっており、同法に基づき同年12月に閣議決定された犯罪被害者等基本計画は、取り組み課題の中に警察発表にあたっての犯罪被害者等に関する個人情報の保護への配慮を掲げている。また、02年に国会に提出され、審議未了で廃案となった人権擁護法案でも、人権委員会による救済対象として、犯罪被害者に対する名誉・プライバシーの侵害や執拗な取材態様に触れていた。近年は、取材・報道において被害者により配慮したルールづくりを行う報道機関も増えている。このほか、個人情報保護を理由に、事件や事故の被害者を警察や病院が匿名とする動きも広がっている。これからの被害者報道にあたっては、被害者の主張や思いの報道の仕方、真実の追求や犯罪に対する社会への警告の報道手法なども考えていく必要がある。

(浜田純一 東京大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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