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被害者 ヒガイシャ

世界大百科事典 第2版の解説

ひがいしゃ【被害者】

不法行為または犯罪により権利やその他の利益の侵害または脅威を受けた者。加害者の対概念。民事司法上は損害賠償請求権等を有し,原告等として積極的な役割を果たすが,刑事司法上は司法警察官に被害事実を申告する被害届を提出したり,捜査機関である検察官・司法警察官に犯人の訴追を求める告訴権を有したりするものの,裁判上の当事者として積極的役割を果たすものではない。ただし,親告罪に関しては,告訴が公訴提起の条件であるため,その限りの積極的機能を担う。

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大辞林 第三版の解説

ひがいしゃ【被害者】

被害を受けた人。
他人の不法行為や犯罪によって権利の侵害や損害を受けた者。民事上は損害賠償の請求、刑事訴訟法上は告訴ができる。 ↔ 加害者

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

被害者
ひがいしゃ

不法行為または犯罪によって侵害または侵害の危険を受けた者。民事上の不法行為の被害者は損害賠償を請求でき、犯罪の被害者は告訴権を有する。外国には、犯罪被害者による訴追を認める制度(被害者訴追主義)も存在するが、わが国のとるところではない。民事、刑事いずれの場合も、「同意は違法をつくらず」Volenti non fit injuriaという法諺(ほうげん)があるように、被害者の同意ないし承諾は、一般に違法性を阻却するとされる。自己に処分権限のある法益に対する侵害の許容は、法益侵害性を失わせるからである。それゆえ、刑事の場合には、個人的法益に対する罪の場合に限られる。民事、刑事いずれにあっても同意(ないし承諾)が有効とされるためには、以下の点などが要件とされる。(1)被害者が同意能力を備えていること。(2)同意が真意と自由な判断に基づくものであること。(3)同意が事前に行われたものであること。(4)同意が公序良俗に反しないものであること。なお、刑法上は、同意が違法性阻却事由としてではなく、強姦(ごうかん)罪(刑法177条前段)のように構成要件該当性そのものを失わせることになる場合や、承諾殺人(同法202条)のように承諾が違法性を減弱する場合、それに13歳未満の婦女に対する姦淫(かんいん)(同法177条後段)のように構成要件上、承諾の有無が問題にならない場合などがある。また、犯罪の被害者に焦点をあて経験科学的にその問題性を究明しようという新しい学問領域としての被害者学も生まれている。[大出良知]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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