西越出(読み)にしのこいで

日本歴史地名大系 「西越出」の解説

西越出
にしのこいで

[現在地名]美津島町小船越

東の船越ふなこし浦から細い地峡の鞍部を越えて西の内浅海うちあそう(浅茅湾)入江に出る。この間一町二八間の浦を西越出または西漕手と称する(津島紀事)。古く遣唐使・遣新羅使一行もこの地を通ったとする説では、船越浦までは和船で来航、当地で下船して丘を越え、西漕手で官船に乗換えて韓土に向かうという行程を想定している。「続日本後紀」承和七年(八四〇)九月一五日条によれば、対馬島司が、毎年の貢調や四度の公文通航でしばしば遭難することがあるが、新羅船はよく波をしのいで航海すると聞くので、新羅船六艘のうち一艘を分けてほしいと大宰府に申請し聞届けられたとされ、この新羅船の待機しているのが当地であるという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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