西院庄・西院小泉庄(読み)さいいんのしよう・さいいんこいずみのしよう

日本歴史地名大系 「西院庄・西院小泉庄」の解説

西院庄・西院小泉庄
さいいんのしよう・さいいんこいずみのしよう

京域の条坊では右京四条二坊、五条二坊・三坊・四坊、六条二坊・三坊の辺り、近世の西院村付近に比定される荘園

曼荼羅まんだら寺寺務の執行をめぐる権律師義範と阿闍梨伝燈大法師範俊との訴訟に関する、承暦二年(一〇七八)七月一〇日付の範俊解案(東寺観智院文書)に「小泉庄者義範若依先師遺言、有行寺務之理者、即可其沙汰者也、何経三箇季年之後、今成此論乎」とあり、小泉庄は曼荼羅寺寺務の管理下にあったことが知られる。四年後の永保二年(一〇八二)一月二〇日付の永作手田宛行状(大徳寺文書)には、「西院小泉御庄」の庄名がみえる。この宛行状は、預所紀氏と四名の刀禰が連署し、当庄内荒田一町の作手を僧知増に宛行ったものである。摂関家領と目されるこの西院小泉御庄が、曼荼羅寺領小泉庄とどのような関係を持っていたのか、全く不明であるが、ともかく西院小泉御庄の名は、以後源歓乃丸田路売券(久安三年二月一七日大徳寺文書)や、下野武致所領譲状(同文書)の売券や譲状に散見するようになる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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