見思(読み)けんし

精選版 日本国語大辞典 「見思」の意味・読み・例文・類語

けん‐し【見思】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「けんじ」とも ) 仏語。見惑(けんわく)思惑(しわく)。惑は煩悩の意で、見惑は、仏教真理である四諦(したい)の理に迷うことや、邪教などに迷って起こす観念上の煩悩のことなど。思惑は、現象的なことにとらわれる、肉体的、情意的な煩悩のこと。天台宗では見思惑を塵沙(じんじゃ)・無明(むみょう)と合わせて三惑といい、これを三界の惑とする。
    1. [初出の実例]「真如理底渓雲暗、見思惑前嶺月明」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)九・夏日遊清水寺〈藤原忠通〉)
    2. 「三界の見思(ケンジ)の惑を断じて、二乗の果を執れる昔だにもなし」(出典:真如観(鎌倉初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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