三惑(読み)サンワク

デジタル大辞泉 「三惑」の意味・読み・例文・類語

さん‐わく【三惑】

連声れんじょうで「さんなく」とも》仏語天台宗でいう、修行の妨げとなる三つ誘惑見思惑けんじわく塵沙惑じんじゃわく無明惑むみょうわく

さん‐なく〔‐ワク〕【三惑】

さんわく」の連声れんじょう

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精選版 日本国語大辞典 「三惑」の意味・読み・例文・類語

さん‐わく【三惑】

  1. 〘 名詞 〙 ( 連声で「さんなく」「さんまく」とも )
  2. 仏語。天台宗で、一切の煩悩をいう。すなわち、見思惑(けんじわく)(=見惑と思惑)、塵沙惑(じんじゃわく)、無明惑(むみょうわく)総称
    1. [初出の実例]「某は愚痴の凡夫血肉の身也。三惑一分も断ぜず」(出典:日蓮遺文‐四恩鈔(1262))
  3. 三つの迷い。
    1. [初出の実例]「われに三惑あり。一には酒にまどひ、二は色にまどひ、三はたからにまどふ」(出典:蒙求和歌(1204)一〇)

さん‐なく‥ワク【三惑】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さんわく」の連声 ) ⇒さんわく(三惑)

さん‐まく‥ワク【三惑】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「さんわく」の連声 ) ⇒さんわく(三惑)

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普及版 字通 「三惑」の読み・字形・画数・意味

【三惑】さんわく

酒・色・財。〔後漢書、楊秉伝〕楊震の仲子秉、性、酒を飮まず。早く夫人を喪(うしな)ひ、に復た娶らず。~言ひて曰く、我に三不惑り、酒・色・財なりと。~贊に曰く、震は四知を畏れ、秉は三惑を去ると。

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