視告朔(読み)コウサク

デジタル大辞泉 「視告朔」の意味・読み・例文・類語

こう‐さく〔カウ‐〕【×朔/×朔】

《「視」は慣例として読まない》古代、毎月朔日に、天皇大極殿だいごくでんで各役所から奏上する官吏勤務・出勤日を記した公文書を閲覧する儀式。延喜年間(901~923)のころから正月・4月・7月・10月の月初めだけになり、やがて行われなくなった。こくさく。ついたちもうし。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「視告朔」の意味・わかりやすい解説

視告朔
こうさく

告朔とも書く。「視」の字は習わしとして読まない。令(りょう)制で毎月朔日(ついたち)、天皇が大極殿(だいごくでん)に出御して、諸司から進奏された公文に目を通す儀式。元来毎日行うべき朝政が簡略化されて出現した制度で、前月分の百官の勤めぶりと上日(つとめび)(勤務日)の日数などを一覧された。これもやがては正月、4月、7月、10月の四度のみとなり、内容も公卿(くぎょう)が出座するだけの形式的なものになっていき、宴が中心になってから、行われなくなっていった。

[酒井信彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「視告朔」の意味・わかりやすい解説

視告朔
こうさく

「視」は読まない。告朔とも書く。令制における政治儀式の制度。毎月朔日 (1日) に朝堂院文武官が参集し,前月の各所管公文を大納言を通じて天皇に進奏するという儀礼的なもので,平安時代末期には衰えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android